スポンサーリンク
この記事では『双子兄妹のニューライフ』の34話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
全話一覧まとめはこちら | ||
⇦ 前回 | 今回 | 次回 ⇨ |
33話 | 34話 | 35話 |
守護者の存在、父の考え
アレックは”彼”に出会った時、目を疑いました。
向こうが透けるほど薄い存在の赤髪の男。ジェイソン。
彼がここにいることが指す意味は双子が生きているということです。
「慈悲深い第2皇子よ。お願いがあります」
体の向こうに星空が見えてしまうほど存在が希薄なジェイソンは悲し気な表情で透けた自分の手を見つめます。
守護者の力の源泉は主人の幸せと皇族としての自負心です。
皇族の血を恨み、実の母に虐待されている双子を主人に持つジェイソンにとって、今こうして姿を現し、話すことさえ困難なのです。
「わかりました」
ジェイソンとの出会いのあと、アレックはすぐに双子に会いに行きました。
寒い夜、薄着で怯えた目をしていた双子。
ようやく家族として一緒に暮らせると思っていたのに、アレックはさきほど双子から聞いた話が信じられません。
「本当に2人をデロリナ城を帰すおつもりですか?」
危険なのは皇帝も承知の上、皇宮騎士団と魔法使いたちを警備につけ、最高レベルの防御壁も設置する予定です。
ですが、そんな皇帝にアレックはそんなことじゃないと吠えます。
「やっと、2人が心を開き始めたのに、なぜそんな決定をなさったのですか!」
今にも泣きそうなアレック。
「2人は望んでいない」
そんな彼に皇帝はロスア公子から聞いた話を思い出しながらいま双子のために出来る最善の策はデロリナ城へと帰すこと。
「私は、もう2人を不幸にしたくない」
「望みどおりにしてやりたいのだ」
双子を心の底から思っているであろう皇帝の父としての姿にアレックは息を呑んで、部屋を後にしました。
ですが、このままでいるわけにいきません。
二ウェーを呼び出し、ある頼み事をしました。
ちゃんとこの想いを双子に伝えられればいいのですが、
渦巻く不安
「公爵、話しを聞いてください!」
ロスア公爵邸にクーロン伯爵の叫び声が響きます。
そう、あのときロイドに声を掛けられたことで、今後について話に来たのです。
「だから何だ」
ロスア公爵はそんなことで騒ぐなと言わんばかりにクーロン伯爵に吐き捨てました。
そして、その後ろにいるフードを目深に被った男、リオルを見ます。
「見られたわけじゃないんだろう?」
もしもこんなフードを被った怪しい男を見ていれば、あいつは誰だったんだとロイドに問われたはずです。
そうでないならいまは問題はない。動揺する暇があるなら新しい魔法書の商人でも探せ。
臆病でいてはなにもできないだろうと言うロスア公爵にクーロン伯爵は渋々頷きました。
「その程度で俺たちに手を出せると思うか?」
先ほどロスア公爵が言った言葉がクーロン伯爵は引っかかっていました。
ただロスア公爵邸にいただけ。たしかにそれだけではロイドに追求されることはないでしょうが、確証はありません。
そして、なにより気になるのは”俺たち”の中にクーロン伯爵が入っている保証もないのです。
今後の作戦を話しているロスア公爵の声を上の空で聞きながらクーロン伯爵はある決意をします。
「自分で、生き残る道を模索しなければ」
そんなクーロン伯爵の後ろで静かに見守るフードの男、リオル。
一体彼は何者なのでしょうか?
このヒビから亀裂が入っていくのでしょうか?
イシナの知る皇帝
「また追い出されるのに、なんで私たちに変わらず仕えるの?」
豪華な洋服を身に纏い、丁寧に身なりを整えられた双子は目の前に用意されるお菓子やおもちゃに不思議に思います。
ですが、イシナは逆になぜそんな風に双子が思っているのかと問いました。
「皇帝陛下はお二人を”追放する”とは一言もおっしゃいませんでしたが」
そんなイシナの言葉に双子は言っていなくても気まぐれで自分たちの住む家を変えるのだから同じだと相変わらず冷たい目を向けます。
「私は皇帝陛下が子供だった頃からそばでお仕えしてきました」
ですが、そんな冷たい目にひるむイシナではありません。
幼い頃から皇帝を知っているからこそ、イシナは胸を張って皇帝は双子の言うようなことを決して考えていないと断言します。
イシナは気分を害そうとも事実だけを言うことを双子はよく知っているので、次はこう聞きました。
「皇帝陛下は私たちが生まれることを望んでいた?」
さすがのイシナもその質問に目を見開きます。
「お望みに、なりませんでした」
嘘は吐いていない。
その言葉に顔を曇らせますが、そんな双子にイシナは言葉を続けます。
「ですが、お二人がお生まれになったあとは我が子として可愛がられていました」
双子が生まれてから皇帝はその小さな体を抱き、自ら名前を付けたほどです。
皇帝が名前を付けることは特別なことです。
なぜならあの皇子たちでさえ、この帝国のどこにも皇帝が名前を与えた者は双子を除いていないのですから
「笑わせるな」
鋭いアルヘンの声が響きます。
イシナの話を聞いてもなお、アルヘンは皇帝を信じることができませんでした。
なぜなら皇帝は5年も双子を放置していました、たったの一度も連絡もないほどに
「それには理由がある」
信じられない。
強い瞳で腕を組み、頑なに心を閉ざしているアルヘンの耳にアレックの声が聞こえてきました。
「ルラヘルは父上と契約を交わしたんだ。皇族側が君たちに近づけないように」
そんな契約、本当に愛しているなら無視すればよかったのに、そうアルヘンは噛みつきますが、アレックは首を横に振ります。
「ルラヘルは父上を殺す力を持っていた」
双子の知らないルラヘルの姿。
それがアレックの口から伝えられるその時、エイジの姿はこそこそと路地裏に入っていくクーロン伯爵の後ろにありました。
「クーロン伯爵」
守護者を連れ、クーロン伯爵の背中を足蹴にしたエイジ。
一体なにが起きると言うのでしょうか?
それよりルラヘルって一体何者だったのでしょうか?
スポンサーリンク
『双子兄妹のニューライフ』34話の感想・考察
前回までの冷たい心を閉ざした状態の双子の姿が少し和らいだような気がする34話でしたね。
イシナやアレック、皇帝のそばに仕えたメイドや息子だからこそ知る皇帝の姿がきっとあると思います。
これからきっと双子に話してくれると思うのですが、本当は双子のことを大事にしている皇帝の想いが伝わるといいですね!
そして、気になるのはロスア公爵とクーロン伯爵の関係です。
どうやらクーロン伯爵はロスア公爵を信頼しきっていない様子でしたので、もしかしたらこの信頼関係の無さが計画を根幹から崩してしまうのでしょうか?
まだまだ気になることが山積みです!35話も楽しみですね!
全話一覧まとめはこちら | ||
⇦ 前回 | 今回 | 次回 ⇨ |
33話 | 34話 | 35話 |
スポンサーリンク